タイのバンコクに夫婦でリタイアメント移住した50代後半の夫婦です。バンコクに不満はありませんが、折角の移住生活なので他の都市(タイ以外の東南アジアやヨーロッパ方面)にもリタイア移住できないかどうか自分なりに調べてみました。東南アジアやポルトガル、ジョージアの記事は以下のとおりです。
マレーシアのMM2H
ベトナムの長期滞在ビザ
フィリピンのSRRV
インドネシアのRetirement KITAS
私が海外移住先を調べる中でトルコに興味を持ち、「リタイアメントビザ」を調べ始めました。
「トルコは物価が比較的安く、温暖な気候で老後の移住先として魅力的」
そんな話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。調べてみると「イカメット(İkamet)」という言葉が出てきて、「リタイアメントビザとの違いは何だろう?」と混乱しました。
結論から言えば、トルコにはタイやマレーシアのような退職者向けのリタイアメントビザは存在しません。
90日を超えてトルコに滞在する場合は、「イカメット(居住許可)」を取得して生活することになります。
この記事では、2026年7月時点の最新情報をもとに、イカメット制度や取得方法、費用、現在の審査状況について私なりに調査した結果を記しています。
注:トルコ移住を検討する中で、私自身がリタイアメントビザ(長期滞在ビザ)について情報収集を行いました。本記事では、その内容をまとめています。できる限り正確な情報を心がけていますが、誤りが含まれている可能性もあります。あくまで個人の調査に基づく内容として、ご参考程度にご覧ください。
トルコにはリタイアメントビザはありません
タイには「リタイアメントビザ」、マレーシアには「MM2H(Malaysia My Second Home)」という長期滞在向け制度があります。
一方、トルコには退職者だけを対象としたビザ制度はありません。「リタイアメントビザを取得する」のではなく、「退職後にイカメット(居住許可)を取得して長期滞在する」というのが正しい理解になります。
トルコ政府が定める主な居住許可は以下の6種類です。
- 短期居住許可
- 家族居住許可
- 学生居住許可
- 長期居住許可
- 人道的居住許可
- 人身売買被害者居住許可

注意
イカメットは「トルコに居住するための許可」であり、就労を認める許可ではありません。トルコで働く場合は、イカメットとは別に就労許可(Work Permit)の取得が必要になります。
イカメット(居住許可)とは?
イカメットとは、外国人がトルコに90日を超えて滞在するために必要となる居住許可です。
日本人は観光目的(就労や留学は別)であれば90日までビザなしで滞在できますが、それを超えてトルコに滞在する場合は、原則としてイカメット(居住許可)の取得が必要になります。
一般的な流れは以下のようになります。
- オンライン(e-İkamet)で申請
- 必要書類を提出
- 必要に応じて移民局で面談
- 審査
- 居住カード(イカメットカード)の発行
代理店へ依頼することはできますが、制度上は本人申請が原則であり、状況によっては本人が出頭する必要があります。
本記事で紹介しているのは、リタイア移住で利用する「短期居住許可(イカメット)」です。長期居住許可は長期間トルコに合法滞在した人などが対象で、また就労や留学などは申請条件が異なりますのでご注意ください。
現在のイカメット取得は以前より厳しくなっている
2022年頃から外国人居住許可の審査は徐々に厳格化(外国人登録制限区域の導入など)されており、現在も以前より取得しにくい状況が続いています。
外国人登録制限区域(飽和規定)
外国人居住者の集中を防ぐため、トルコ政府が指定した地区で新たな居住登録を制限する制度です。対象地区では、新規の短期居住許可(イカメット)の申請が認められない場合があるため、賃貸契約を結ぶ前に最新の対象地区を確認することが重要です。
イカメット申請で特に確認される項目は、
- 賃貸契約など住所の実在性
- 滞在目的
- 十分な生活資金
- 医療保険への加入
などです。
賃貸契約など住所の実在性と滞在目的
リタイアメント移住の場合、賃貸契約を伴う居住目的を示し、「観光」ではなく「居住(生活拠点)」として申請するのが現実的。観光目的のみの申請では拒否されやすいようです。
十分な生活資金(目安)
生活資金について明確な一律基準は公表されていませんが、多くの専門家や法律事務所では、トルコの最低賃金を目安として審査(最低賃金の1.5倍)されると解説しています。以下はあくまでも目安ですのでご承知おきください。
基準:トルコの最低賃金をベースに算定
2026年最低賃金:28,075TL/月(約10万円)
短期居住許可
- 主申請者:最低賃金×1.5 → 42,112.5TL/月(約15万円)
- 同伴者:最低賃金×1.0 → 28,075TL/月(約10万円)
- 夫婦で申請する場合 → 70,187.5TL/月(約25万円)が目安
※1トルコリラ=3.5円で計算
目安の金額をベースにしますが「毎月の収入証明」ではなく、銀行残高証明で複数か月分をカバーできれば可とされるケースもあります。つまり、1年滞在希望の場合、夫婦で月25万円×12か月分=300万円以上の残高証明でも可能。2年滞在を夫婦で申請するには600万円以上の残高証明で可能ということになります。しつこいようですがあくまで目安で明確な金額ではありません。
医療保険への加入
医療保険の年間保険料(確定額ではなく目安)
- 若年層(30代以下):年間約1,500〜3,000TL(5,200〜10,500円相当)
- 中高年層(50〜60代):年間約4,000〜8,000TL(14,000〜28,000円相当)
- 高齢層(70代以上):年間約10,000〜15,000TL(35,000〜52,500円相当)
注:実際に必要となる資金額は個別審査となるため、この金額で許可が保証されるものではありません。
※1トルコリラ=3.5円で計算
・イカメット申請要件:トルコ国内で有効な民間医療保険への加入証明が必須。
・審査で確認されるのは「有効な契約(支払額)があるか」であり、補償額の大小は問われません。
・保険期間はイカメット申請期間と一致させる必要があります(例:1年イカメットなら1年契約)。
イカメットは必要書類や資金要件を満たせば自動的に許可される制度ではありません。提出書類や滞在目的、居住実態などを総合的に審査したうえで許可・不許可が決定されます。そのため、書類に不備がなくても審査結果によっては許可されない場合があります。
イカメットは何年間取得できる?
ここが最も誤解されやすいポイントです。
制度上は最長2年間の短期居住許可が認められています。
しかし、実際には申請内容や審査結果によって許可期間は異なります。
近年では
- 約6か月
- 約1年間
で許可されるケースも多く報告されています。
そのため、「イカメットは必ず1年間取得できる」
あるいは「必ず2年間取得できる」
という情報は正確ではありません。
現在は個別審査によって期間が決定されると考えるのがよいでしょう。
イカメット取得にかかる費用
申請費用は国籍や許可期間によって変動しますが、おおよその目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 政府申請費用 | 数万円程度 |
| 居住カード発行費 | 数千円程度 |
| 民間医療保険 | 年間数千円~数万円 |
| 賃貸契約・住所登録 | 必要 |
| 代理店費用 | 約10~30万円 |
なお、政府手数料は毎年改定されることがあるため、最新情報を確認することをおすすめします。
日本語で申請できる代理店はある?
結論から言えば、
日本語だけで対応してくれる代理店は非常に少ない
というのが現状です。
多くは英語またはトルコ語対応で、日本語サポートがある場合でも、
- 日本人スタッフ
- 日本人個人サポート
- 外部通訳
を組み合わせて対応しています。
そのため、日本語対応を希望する場合は、実績や口コミを十分に確認してから依頼することが重要です。
トルコ移住のメリット
① 地中海性気候で暮らしやすい
アンタルヤなど地中海沿岸は冬でも比較的暖かく、日本の寒さが苦手な方には魅力があります。
② 欧州とアジア双方へのアクセスが良い
トルコはヨーロッパとアジアの境界に位置しており、旅行好きには非常に魅力的な立地です。
③ 歴史や文化が豊富
イスタンブールをはじめ、カッパドキアやエフェソスなど世界遺産も多く、生活そのものを楽しめる国と言えるでしょう。
④ 食事がおいしく、日本人にも比較的なじみやすい
トルコ料理は肉料理やパン、野菜を使った料理が豊富で、日本人の口にも合いやすいと言われています。新鮮な食材が手に入りやすく、食生活を楽しめる点も魅力の一つです。
トルコ移住で人気の都市
イカメットの取得を前提にトルコへ長期滞在する場合、どの都市を選ぶかも重要なポイントです。ここでは、日本人を含む外国人移住者から人気のある代表的な3都市をご紹介します。
イスタンブール
トルコ最大の都市で、ヨーロッパとアジアの両方にまたがる世界でも珍しい都市です。交通機関や医療機関、ショッピング施設が充実しており生活の利便性は非常に高い一方、家賃や物価は地方都市より高めです。外国人居住者も多く、初めてのトルコ生活でも比較的暮らしやすい環境が整っています。
アンタルヤ
地中海沿岸に位置するトルコ屈指のリゾート都市です。年間を通して温暖な気候で、美しいビーチや豊かな自然に囲まれた環境は、老後をゆったり過ごしたい方に人気があります。外国人移住者も多く、欧州からの長期滞在者が多いことでも知られています。
イズミル
エーゲ海に面したトルコ第3の都市です。イスタンブールほど大都市ではありませんが、交通や商業施設など都市機能が整っており、落ち着いた雰囲気の中で生活できます。海が近く気候も比較的温暖なことから、近年は移住先として注目されている都市の一つです。

いずれの都市も魅力がありますが、外国人登録制限区域(飽和規定)や住宅事情が変わることもあります。移住を検討する際は、最新の情報を確認したうえで現地を実際に訪れ、自分たちのライフスタイルに合った街を選ぶことをおすすめします。
トルコ移住のデメリット
① イカメット取得が以前より難しくなった
制度自体は継続していますが、審査は確実に厳しくなっています。
② 日本語サポートが少ない
英語やトルコ語が苦手な方は、代理店探しに苦労する可能性があります。
③ インフレや為替変動
近年は高いインフレやトルコリラの為替変動が続いており、生活費を予測しにくい点にも注意が必要です。
移住を検討する際は、この点も十分考慮する必要があります。
④ 地震リスクも考慮する必要がある
トルコは日本と同様に地震が多い国として知られています。移住先を選ぶ際は、地域ごとの地震リスクや建物の耐震性についても確認しておくと安心です。
治安や日本人への印象は?
トルコは日本と比べるとスリや置き引きなどの軽犯罪が多く、イスタンブールなどの観光地では基本的な防犯対策が欠かせません。また、外務省も一部地域ではテロへの警戒を呼びかけており、シリア国境周辺など渡航を避けるべき地域があります。
一方で、イスタンブールやアンタルヤ、イズミルなど外国人が多く暮らす地域では、日常生活を送る上で過度に不安を感じる必要はないという声も多く見られます。もちろん、日本と同じ感覚ではなく、スリや置き引きなどへの注意は必要です。
また、トルコは比較的親日的な国として知られています。日本人は礼儀正く真面目という印象を持たれることが多く、旅行者や現地在住者からも親切に接してもらえたという体験談が少なくありません。
親日だからといって油断は禁物
トルコは比較的親日的な国として知られていますが、その一方で、親切に話しかけて信用させ、高額な飲食代や商品代を請求するなど、観光客を狙ったぼったくりや詐欺まがいの事例も報告されています。親日的な国だからと安心し過ぎず、海外では基本的な防犯意識を持って行動することが大切です。
まとめ
トルコにはタイやマレーシアのようなリタイアメントビザはありません。
その代わり、90日を超えて滞在する場合は、外国人居住許可である「イカメット」を取得して生活することになります。
以前に比べると審査は厳格化されていますが、MM2Hのように高額な資産要件が求められる制度ではありません。私自身が調査した限りでは、必要書類や生活資金などを十分に準備したうえで申請すれば、リタイア移住先として十分検討できる制度だと感じました。しかし、外国人登録制限区域(飽和規定)や申請にかかる手間をはじめデメリットもあるので絶賛お薦めとはいきません。
トルコ移住を検討している方は、最新の制度や審査状況を確認しながら、必要であれば信頼できる代理店や専門家のサポートを受けることをおすすめします。
私自身もタイ移住に続く新たな移住先としてトルコに興味を持ち、情報を調べています。今後も最新情報が分かり次第、この記事を随時更新していく予定です。
注意事項
本記事の内容は、2026年7月時点で私個人が調べた情報をもとに作成しています。実際の体験談ではなく、あくまで情報収集ベースの内容ですので、参考情報としてご覧いただければ幸いです。また、トルコの居住許可(イカメット)は変更される可能性があります。実際に申請を検討される場合は、必ず公式情報などで最新情報をご確認ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
私達のタイ移住の様子をブログにしています。よろしければご覧ください。
シンヒロのブログ | ~リタイアメントしてタイ移住をしています~

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