バンコクでリタイアメント移住をした50代後半の夫婦です。
まもなくバンコクでの生活も4年目を迎えますが、今回は賃貸契約しているコンドミニアムの契約を更新するか、住み替えるかで悩みました。
バンコクのコンドミニアムは基本的に1年契約がほとんどで、私たちはこれまで1年ごとに住まいを変えてきました。
タイのコンドミニアムは家具・家電付きの部屋がほとんどなので、日本での引っ越しほど大変ではありません。
1回目の引っ越しは、同じ建物内での住み替えでした。同じ間取り、同じ向きで、20階から35階へ移動しただけですが、家賃は1か月3,000バーツ安くなりました。
2回目は場所も変えて、車で20分ほど離れたコンドミニアムへ引っ越しました。
そして今回も住み替えを考えて、10か所以上のコンドミニアムを見て回りました。
しかし、なかなか今の住居を超える場所が見つかりません。
結局、今回は家賃の交渉をして1か月1,000バーツの値引きをしてもらい契約を更新して、もう1年同じ部屋に住むことにしました。
100%理想にかなうコンドミニアムはない
今回あらためて住居探しをしてみて感じたのは、「100%理想にかなう場所はない」ということです。
もちろん、お金に糸目をつけず「賃料はいくらでもいい」というのであれば、話は別です。
しかし、私たちのように家賃にもある程度の上限を設けて探していると、どこかは妥協しないと決まりません。
「駅から近いけれど部屋が狭い」
「部屋は広いけれど周辺環境がイマイチ」
「共用施設は素晴らしいけれど家賃が高い」
など、何かしら一長一短があります。
そのため、住まいを探すときには、条件の優先順位を決めておくことが重要だと思います。
絶対に譲れない条件は何なのか。
逆に、「ここは多少妥協してもいい」と思える部分はどこなのか。
あらかじめ決めておかないと、物件を見れば見るほど迷ってしまいます。
今回の記事では、バンコクで実際にコンドミニアムを探し、3年間暮らしてきた私たちが感じた、日本とタイの物件・建物に関する違いについて、私なりの感想を綴っていきたいと思います。
タイの新築コンドミニアムは「完成=工事終了」ではない?
日本人は新築を喜びますし、私も新築が好きです。
やはり「新しい」というのは、それだけで魅力があります。
ところがタイのコンドミニアムの場合、竣工したからといって、すべての工事が終わっているとは限りません。
私の経験では、「入居が決まっている部屋が住める状態になった」というだけで、建物全体としてはまだ工事が続いているケースがありました。
私たちが現在のコンドミニアムに入居したときは、竣工からすでに半年ほど経っていました。
それでも、絶賛工事中でした。
1~6階は駐車場になっていますが、当時は6階部分の駐車場全体が、材料の加工場や業者の事務所のようになっていました。


部屋の内装工事が終わっていないところも多く、入居した当時はドリルやカッターの音がかなりうるさかったです。さらに、一度工事が終わった場所でも、やり直しをしている箇所がたくさんありました。
我が家のある廊下でも、壁を塗り直したり、タイルをわざわざ剥がして設置し直したりしていました。

つまり、簡単に言えば、
「新しいのはいい。でも、しばらく工事が続くのでうるさいですよ」
ということです。
日本と違いバンコクで新築のコンドミニアムを選ぶ場合は、この点をある程度覚悟しておいた方がいいと思います。
部屋の不備を業者が無料で直してくれるのはいいけれど……
部屋の不備もありました。これは施工ミスなので、基本的には業者が無料で修理してくれます。
※竣工から時間がたっていないので保証期間的な対応だと思います
費用がかからないのはありがたいのですが、面倒は面倒です。
我が家の場合、ガラス戸を開閉するたびにギシギシと音がしていたので、業者に修理してもらいました。
そのとき、なんと8人来ました。ただ、実際に修理していたのは2人だけです。
これもタイではよくある光景で、「必要以上に人がいる」ことがあります。
もちろん工事の規模にもよりますが、これが各部屋や施設で行われているので、とにかく業者が多いです。夕方になると、トラックのような形をしたバスが業者を迎えに来ていました。
敷地全体で100人/日くらいはいたと思います。

そして、入居して半年くらいは、エレベーターも1台が業者専用になっていました。現在のコンドミニアムでは、竣工から1年くらいはこのような状態が続きました。
現在は竣工から1年半ほど経っています。
建物全体としての大きな工事はほとんどなくなりましたが、それでも各戸の工事はまだ続いていて、たまにドリルやカッターなどの騒音が聞こえてきます。
新築には新築の魅力がありますが、【新しいから静かで快適】とは限らないというのが、実際に住んでみて感じたことです。
内見だけでは分からない「壁の薄さ」
バンコクで最初に住んだコンドミニアムでは特に感じませんでしたが、現在のコンドミニアムでは、壁が薄いのか、防音があまり施されていないのか、隣の部屋や廊下から声が聞こえてきます。
廊下の声などは、最初は「扉が開いているのでは?」と思うくらいでした。
隣室の話し声も聞こえます。
コンドミニアムのコミュニティアプリで住民が意見を投稿できるのですが、そこで「紙の壁」と揶揄されるほど、住民の声などが聞こえることがあります。

最初に住んだコンドミニアムは問題ありませんでしたが、どうやら現在のコンドミニアムは壁が薄い、あるいは防音が十分ではないようです。
こうしたコンドミニアムはタイでは珍しくないようで、厄介なのが内見ではなかなか分からないことです。
部屋を見て、間取りや眺望、設備などを確認することはできます。しかし、その部屋に実際に住んでみなければ、隣室の声や廊下からの音がどの程度聞こえるのかまでは分かりません。
そのため、コンドミニアムの口コミや住民の評判などを読んで判断するしかないと思います。
ただし、いくら建物の防音性能が良かったとしても、隣人や上の階の住人が異常にうるさい人だったら、どうしようもありません。逆に壁が薄くても隣人が入居していなければ騒音もありません。
ここは結局、運もあるので何とも言えません。
住居選びでは、こうした「実際に住んでみないと分からない部分がある」ことも覚えておいた方がいいと思います。
バンコクのコンドミニアムの入居率は低いです。不動産屋さんも「半分も入居していないコンドが多いですよ」と言っていました。
3~4年経ったコンドミニアムの方が快適なのかもしれない
ここまで書いたことを考えると、竣工から3年ほど経っているコンドミニアムであれば、工事に関する問題もある程度クリアされて、管理会社も住民からの苦情や要望を受けながら、住みやすい状態になっている可能性が高いのではないかと思います。
日本であれば、最初からそのような一般的な苦情に対するノウハウを把握していて、そもそも苦情自体が少ないのではないでしょうか。
もちろん日本でも新築マンションで問題が起きることはあると思います。
ただ、タイのコンドミニアムに住んでいると、「ゼロの状態から管理を始めているのでは?」と感じることがあります。
細かい話ですが、私たちが週に何回も利用しているジムもそうでした。
入居した当初は、消毒液もタオルもありませんでした。汗をかく人が多いので、衛生面を考えて、自分でタオルを持って行って拭いていました。
前に住んでいたコンドミニアムでは、消毒液もタオルも常備されていました。
ところが現在では、消毒液とペーパーがジムに常備されるようになりました。
また、共用スペースの会議室にあるテレビモニターなどにはリモコンがなく、使うたびに管理事務所まで借りに行かなければなりませんでした。それも最近になって、スマホのアプリから電源やチャンネル変更などができるようになりました。
Wi-Fiも当初は頻繁につながらなくなっていましたが、今ではかなり改善されています。
「なぜ最初からそうしないの?」
と思ってしまいます。
管理会社には、それまでのコンドミニアム管理で培ったノウハウがあるはずなのに、なぜ最初からやらないのだろうと思ってしまうのです。
入居当初は「えっ?」と思うことも多かった
入居当初は、さらにひどい状態でした。
予約した共用施設の鍵が閉まっていて、入れないことがザラにありました。
エアコンも同様で、予約した時間になっても電源が入っていないことが頻繁にありました。
それを管理事務所に伝えても、スタッフが開錠したりエアコンの電源を入れに来たりするまで、10~20分くらいかかることも珍しくありません。1時間かかることもありましたし、まれに無視されることもありました。
最近では、住民からの苦情もあって、予約した共用施設の鍵が開いていないということはほとんどなくなりました。
エアコンの電源が入っていないことも、少なくなりました。
それはありがたいことです。
ただ、何度も言いますが、
「なぜ最初からそれができないの?」
と思ってしまいます。
前に住んでいたコンドミニアムは竣工から3~4年ほど経っていました。そのため、ちょうどいい感じに、そのあたりの問題が改善されていたのかもしれません。
もちろん、最初からきちんと管理されていた可能性もあります。実際のところは分かりません。
ただ、私の感覚としては、現在のコンドミニアムと同じように、最初は住民からの苦情がたくさんあったのではないかと想像しています。
新築より「少し古いコンド」の方がいい?
新しい建物や新しい部屋は、もちろん魅力的です。
設備も新しく、共用施設も充実していることが多い。
一方で、タイのコンドミニアムの場合は、新築だからこそ発生する問題もあります。
工事が続いている
施工上の不具合がある
共用施設の運用がうまくいっていない
管理会社と住民の間で、何が問題なのかがまだ分かっていない
そういったことが、入居後に少しずつ改善されていくのかもしれません。
そのため最近では、
「タイのコンドミニアムは、3~4年経ってからの方がいい感じに改善されて、快適に住めるのではないか」
と思うようになりました。
もちろん、すべてのコンドミニアムに当てはまるわけではありません。
築年数が経てば設備が古くなるというデメリットもあります。
それでも、今回の住み替えで10か所以上のコンドミニアムを見て回った結果、単純に「新しい方がいい」とは思わなくなりました。
むしろ、築年数だけではなく、その建物がどの程度成熟しているのかを見ることも大切なのではないかと思っています。
バンコクのコンドミニアムは共用施設がすごい
最後に、コンドミニアムの共用施設についてです。
前回、初めてバンコクでコンドミニアムを借りたときも、共用施設(ファシリティ)の充実ぶりには驚きました。
しかし、現在のコンドミニアムはそれ以上です。多種多様な共用スペースがあり、コワーキングスペースとして使える完全個室が10室。さらにミーティングルームも2室あります。
もちろんジムなども含めて、私たちは使い倒しています。
※私達の現在のコンドミニアムの紹介記事です。よろしければご覧ください。

しかし、居室の間取りや設備など、自分の希望に届いていない部分もあります。
それでも、住んでいるうちに「どうすれば自分なりに快適に過ごせるか」を考えるようになります。
もちろん、どうしても改善できないこともあります。
しかし、最初は「ここがちょっと不満だな」と思っていたことでも、暮らしているうちに、それを補う方法を考え始めるものです。
もちろん、100%理想通りの住まいになることはないと思います。その代わり、その場所を選んだ理由が必ずあるはずです。家賃なのか、間取りなのか、眺望なのか、駅からの距離なのか、周辺環境なのか、共用施設なのか。
何かを妥協した代わりに、何かを享受しているはずです。
住居選びは「譲れない条件」を決めることが大切
最初の方にも書きましたが、だからこそ住居選びでは条件の優先順位を決めることが重要だと思います。
「これだけは絶対に譲れない」
という条件を決める。
その一方で、
「ここは多少妥協してもいい」
という部分も決めておく。
そうすれば、100%希望通りのコンドミニアムが見つからなくても、最終的には「ここならいいかな」と思える場所を見つけられるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、100%希望通りの住居を見つけるのは、まず無理だと思います。
だからこそ、優先順位をはっきりさせる。
そして、多少気になるところがあったとしても、自分で工夫できそうな部分は工夫して、少しでも快適に過ごす。
今回、10か所以上のコンドミニアムを見て回って、結局は今の住居の契約を更新することにしました。
「ここが完璧だから」というわけではありません。
不満なところもあります。
それでも、総合的に考えると、今の住居を超える場所が見つからなかったということです。
そう考えると、住居選びは「完璧な物件を探す」というより、自分にとって何が一番大切なのかを決めて、その条件を一番多く満たしてくれる場所を探すことなのかもしれません。
これはタイのコンドミニアムに限らず、日本で住居を探す場合でも同じですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
タイ移住の様子をブログにしています。よろしければご覧ください。
シンヒロのブログ | ~リタイアメントしてタイ移住をしています~


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