現在、私たちはタイのバンコクで移住生活を送っています。50代半ばでリタイアし、夫婦2人でこれまでの蓄えや資産運用をもとに生活しています。今後の計画としては、65歳になったら年金を受け取りつつ、日本の地方で静かに暮らしたいと考えています。
このような生活を選んだことについて、「わざわざ海外に行かなくても、日本の田舎でよかったのでは?」という声をいただくこともあります。たしかに、その考えにも十分納得できる部分はあります。ただ、私たち夫婦の場合は、次のような思いからタイを選びました。

タイ移住を選んだ理由
① 生活の質を保ちつつ、費用はなるべく抑えたい
② 心身ともに元気なうちに、さまざまな経験をしておきたい
③ 若い頃から海外の雰囲気が好きで、異文化に触れることが楽しい
この3つの軸を大切にして、物価が比較的安く、長期滞在しやすいビザ制度が整っているタイでの生活をスタートさせました。
軸というほどではありませんが、タイ周辺にはタイ国内を含めて私達の好きな東南アジアのビーチリゾートが多く「短時間」「少ない費用」で旅行できることも理由の一つです。
旅行記の記事一覧です。よろしければご覧ください。

生活環境についての一例
今住んでいるコンドミニアムは築5年。家賃は月約90,000円です。これにはジムやプール、ラウンジ、ビリヤード場、小さなバスケットコートなどの共有施設が含まれており、コワーキングスペースやミーティングルーム、駐車場も無料で利用できます。
駅や大型ショッピングモールも直結しており、生活の利便性は非常に高いです。部屋は1ベッドルーム(約35㎡)と広くはありませんが、東京で同じような立地・設備を求めると、価格は軽く倍以上になると思います。
コンドミニアムの詳細は以下からどうぞ
「今だからこそ」できる選択
年齢を重ねるにつれて、体力や判断力はどうしても落ちてきます。海外移住は、ビザの取得や住居の契約、日々の生活の立ち上げなどエネルギーが必要なので、年齢を重ねてからでは難しくなるかもしれません。だからこそ、まだ心身ともに元気な今、「経験したいと思える環境」に身を置きたいと考えました。
タイという国の魅力
移住先としてタイを選んだ理由には、以下のような点もあります。
④ 物価が比較的安い
フードコートでの食事は1食300〜400円程度。タイの食材に慣れれば、食費も抑えられます。
⑤ リタイアメントビザが取りやすい
所定の条件を満たせば長期滞在が可能で、他の国と比較してビザは取得しやすいです。
⑥ 東南アジアらしい雰囲気と都市的な快適さの両方がある
バンコクは都会的なショッピングモールが揃う一方で、屋台などローカルな文化も根強く残っています。

もちろん、貧富の差やインフラ面で気になることもありますが、それも含めて現地ならではの現実として受け止めています。
日本とタイの違い
地方移住との比較
日本の地方に住むことで生活費を抑えることは可能だと思います。ただ、地方では移動手段が限られ、ジムやコワーキングスペース、ライブラリーやプールが建物内にある環境は少ないのかなと思っています。
私たちは現在、週に数回ジムに通い、コワーキングスペースも活用しています。日々の暮らしの中にちょっとした刺激や新鮮さがあることも、生活の質を支える要素のひとつだと感じています。
医療制度の違いが、将来の帰国を考える理由のひとつ
日本とタイで大きく違うのが医療制度です。タイの都市部の大手私立病院の医療技術や設備は発展しており、日本と同レベルとも言われています。ただし、日本のように国民皆保険ではなく、外国人は働いていなければ入れる公的保険がありません。従って医療費は基本的に10割負担(※就労ビザの場合は社会保険制度あり)。そのため、多くの人が民間の保険に加入して備える必要があります。
私たちは言葉の不安もあるため、日本語が通じる私立病院を利用していますが、ここは設備もサービスも一流なぶん、費用も高額です。日本の3割負担を10割にして計算しても、2倍以上かかる印象です。
タイの高級病院についての記事です。サービス内容や医療費について記載しています。よろしければご覧ください。
もちろん、安価なローカル病院もありますが、タイ語が必須で私たちには難しいのが実情。こうした医療制度の不安や、日本の手厚い公的支援制度の存在もあり、65歳を迎えたら日本に戻ろうと考えています。
日本の国民皆保険制度は素晴らしいと感じます。医療費は少ない自己負担額で、海外で医療費が発生した際には「海外療養費制度」※、医療費が高額になった場合に所得に比例して医療費を補助してくれる「高額療養費制度」もあります。ここまで手厚い保険制度は世界でも少ないと思います。
※海外療養費は「実費の7割」ではなく、日本で同じ治療をした場合の基準で計算されます。そのため戻ってくるのは、私の経験則ですが実費の2~5割程度にとどまるケースが多いです。
今の気持ち
バンコクでの生活を始めて2年。振り返ると、この選択をして本当に良かったと感じています。タイの人々は優しく、親日的な方も多く、日常生活の中でのストレスも少なめです。
気候については高温多湿で、日本とは大きく異なりますし、円安や物価上昇の影響も感じます。それでも、今の私たちには、タイという場所がちょうどいいと感じています。
タイの気候は、熱帯性モンスーン気候です。常に暑いことが前提で、その中で、暑季(3~5月)、雨季(6~10月)、乾季(11~2月)の3つに分かれています。でも、日本と違って寒暖差が少ないので過ごしやすいと言えば過ごしやすいかもしれません(暑い時期には40℃を越える時もありますが・・・)。
タイの気候について季節ごとに記事にしています。ご興味があれば以下からどうぞ。
タイ(バンコク)の気候について(暑季3~5月)
タイ(バンコク)の気候について(雨季6~10月)
タイ(バンコク)の気候について(乾季11~2月)
最後に
最初にも書いたように、私たちは65歳になったら日本の地方に戻る予定です。ですので、地方移住を否定するつもりは全くありません。ただ、「今はまだ、やってみたいことがある」「今しかできない体験をしてみたい」という想いから、タイという選択をしました。
人それぞれ価値観や生活スタイルは異なりますので、タイ移住がすべての方にとって最適とは思っていません。ただ、私たち夫婦にとっては、とても満足のいく選択でした。
この記事が、これからの暮らし方を考える上で「海外移住」や「タイでの生活」を選択肢の一つとして思い描くきっかけになれば嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
タイ(バンコク)での移住生活をブログにしています。よろしければご覧ください。

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