タイに移住して3年目になる50代夫婦です。
最近、ニュースを見ていると「移民」という言葉を目にする機会が増えてきました。
人口が減れば国が衰退する。
これは感覚的な話ではなく、現実的な問題だと思います。高齢化の進行、地域サービスの縮小、税収の減少、社会保障費の増大など、人口減少は経済や社会のあらゆる面に影響を及ぼします。
日本の合計特殊出生率は長期的に低下傾向が続き、出生数は年間70万人を下回っています(2024年)。
こうした背景の中で、移民政策が話題に上るのは自然な流れだと思います。
出生率低下と「子どもを持たない選択」
私たち夫婦は残念ながら子どもに恵まれませんでした。そんな私が言うのもおこがましいのですが、子どもを育てることがいかに大変かは想像できます。
最近よく聞く「子どもは産まない」という若い世代の考え方も、理解できなくはありません。
国や自治体も子育て支援に力を入れていますが、人口減少に歯止めがかかっているとは言えない状況です。
だからといって、
「子どもは産むべき」「産まなくていい」
といった議論をしたいわけではありません。どちらも間違いではなく、夫婦それぞれの事情による選択だと思っています。
ただ、人口減少による社会的なマイナス面への対応は避けられない。その選択肢の一つが、移民政策です。
移民と治安という難しい問題
移民と聞いてまず思い浮かぶのはアメリカかもしれません。最近ではトランプ大統領が強い移民規制を打ち出し、「不法移民が犯罪を増やしている」と発言して話題になりました。
一方、研究や統計では
「一部の不法滞在者による問題はあるものの、移民全体が治安悪化の主要因とは言えない」
という見解が一般的です。
ただ、これはあくまでデータの話で、感情の問題とは別です。
個人的な感覚としては、「治安の良い社会に、価値観やルールの違う人が大量に流入すれば、摩擦が起きやすくなるのは自然ではないか」と感じる部分もあります。

タイの人口減少と移民の現実
私たちは現在タイに住んでいるので、タイの人口問題と移民について調べてみました。
タイも深刻な出生率低下
- 合計特殊出生率は1.2前後(日本と同水準)
- 若者の非婚化
- バンコクなど都市部では「子どもを持たない」選択が一般化
- 地方では若年層流出による高齢化が進行
バンコクでは子供連れの家族をよく見かけるので、タイの合計特殊出生率の低さは意外でした。
タイは実質的な移民国家
- ミャンマー、ラオス、カンボジアなどから数百万人規模の出稼ぎ労働者
- 建設、工場、清掃、農業などを支えている
- バンコクの都市機能は、彼らの労働なしでは成り立たない
タイで治安は悪化しているのか?
この状況を見て疑問に思うのは、治安です。
しかし調べてみると、タイでは「移民が多いから治安が悪い」という意識は日本ほど強くないようです。
理由の一つとして、
不法行為をすれば即国外退去になるという厳しい制度
があり、移民側も強い緊張感を持って生活していることが挙げられます。
タイ政府の「割り切り型」移民政策
タイ政府のスタンスは非常に現実的です。
- 労働力としては歓迎
- しかし「国民として統合する」意思はほぼない
- 教育、社会保障、参政権は限定的
- あくまで「働いて帰る人」という位置づけ
さらにタイでは、外国人を明確に分けています。
- 労働力としての移民 → 周辺国
- 消費する外国人 → 欧米・日本・中国
リタイアメントビザ、ロングステイ、富裕層向けビザ、デジタルノマドビザなど、目的別に制度が分かれており、
「移民=労働者」だけではない多層構造になっています。
日本はタイから何を学べるのか
日本では移民政策が「賛成か反対か」という感情論に陥りがちです。
一方タイでは、すでに移民なしでは社会が回らない段階にあり、現実的な対応が進んでいます。
このモデルをそのまま日本に当てはめることはできませんが、
「役割ごとに受け入れる」という考え方には、学ぶべき点があるように思います。
ミャンマー、ラオス、カンボジアからタイへの移民と、同じ国々から日本への移民では、受け入れる側の経済状況や社会制度、治安環境が大きく異なります。そのため、単純な人数比較や成功・失敗の計算だけを比べて良し悪しを判断するのは難しいと感じます。日本なりの事情を踏まえた上で、どこまで受け入れ、どう共存していくのかを考えていく必要があるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ピースボート地球一周の船旅タイ移住に関するブログです。よろしければご覧ください。


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